1966年(昭和41年)
ビック・トピックス
- 「いざなぎ景気」の上昇過程に入る(実質成長率10.2%)
- 新三種の神器にカラーテレビ、カー、クーラー
- 東洋紡と呉羽紡が合併、紡績業界の再編成が始まる
- アパレル企業の多ブランド戦略が始まる
- パーマネントプレス(PP)シャツが急増
生活・文化
- 運輸省が私鉄運賃の値上げを認可,平均20.2%
- 青森県三沢市で大火。繁華街の雑貨店から出火し、強風にあおられて450棟を全焼、1853世帯が被災
- 授業料値上げ反対で早稲田大学全学スト(バリケードで校舎を封鎖。その後大学本部を占拠し、警官隊と乱闘を繰り返す。学園紛争始まる)
- ソ連の無人月探査機ルナ9号が初の月面軟着陸成功
- 全日空機(B727)が羽田沖に墜落。133人全員死亡
- 東証旧ダウが2年7カ月ぶりに 1500円台回復
- 春闘共闘委員会が「物価値上げ反対・生活危機突破国民大会」を開催(物価メーデー)
- カナダ航空機(DC8)が羽田空港の防波堤に衝突し炎上、64人死亡、生存者8人
- BOAC機(B707)が富士山付近で空中分解し墜落、124人全員死亡
- 群馬県水上温泉の菊富士ホテルで火災が発生し、泊り客ら30人が死亡
- 米ジェミニ8号(アームストロング船長)が初のドッキングに成功(しかし、標的機に異常が発生し、再ドッキングと宇宙遊泳は中止された)
- 日本の総人口が1億人超える(法務省の住民登録集計で1億55万4894人)
- 東京急行田園都市線(溝の口-長津田間)が開通
- 集団チフス事件発生(千葉大付属病院と静岡県の三島病院で発生した集団赤痢と腸チフスは、千葉大附属病院の研究生がばらまいた細菌によるものであることが判明し逮捕)
- 早稲田大学第一理工学部がスト中止を決定
- ボストンマラソン大会で君塚健二が優勝
- 佐渡で死んだトキ2羽から農薬中の水銀を検出
- 東京・銀座にソニーのショールームとしてソニービルがオープン
- 古都保存法施行
- 今東光が平泉の中尊寺貫主に就任
- UPI通信のカメラマン沢田教一がベトナム戦争報道でピュリッツァー賞を受賞
- 公演中のこまどり姉妹が舞台に上がってきた少年に刺されて重傷
- 日本テレビの番組「笑点」始まる(最初の名称は「金曜寄席」で司会は立川談志)
- 関東~甲信 凍霜害 被害面積1万7369ha
- 米のサーベーヤー1号が月面軟着陸に成功。1万枚あまりの月の写真を地球に送った
- 自動販売機の普及で百円玉が不足、銀行でもストックが底をつく
- 東京都北区にコインランドリーの第1号登場
- スポコンマンガの火つけ役「巨人の星」が少年マガジンに連載開始(~1971年11月)
- 第一文学部のスト中止で、早大紛争に終止符が打たれた
- 国民祝日法改正公布(敬老の日・体育の日を追加)
- 台風4号が停滞中の梅雨前線を刺激し,中部~北海道で死者64人,床上・床下浸水 1万28041棟
- ビートルズ来日(台風4号で11時間遅れ)。日本武道館で第1回日本公演
- NHKが連続テレビ小説「おはなさん」放映開始(平均視聴率50%を記録。朝8時15分になると水道メーターが急降下すると言われた)
- 巨人軍の堀内恒夫投手が開幕以来13連勝。新人として記録更新
- 都立高校入試に学校群制度を導入
- 女子バレーボールのニチボー貝塚がヤシカに敗れ、連勝記録は258でストップ
- 閣議で百円紙幣の廃止を決定
- 世界最大のタンカー「出光丸」進水
- 台風25号が東海、関東、東北を通過して三陸沖に抜けた。 死者・行方不明者314人
- 岩手県松川に完成した日本初の地熱発電所が送電を開始
- 戦争中の政府接収ダイヤが売り出され、買い手が殺到
- 萩本欽一と坂上二郎がお笑いコンビ「コント55号」を結成
- 東京・三宅坂に国立劇場開場
- 全日空YS11型機が松山空港で墜落、50人全員死亡(戦後初の国産機事故)
- 王貞治(巨人軍選手)が小八重恭子と結婚
- 郵便貯金3兆円超す
- 公取委が東芝・日立など大手メーカー6社にテレビ価格協定破棄を勧告。6社拒否
- 東京地裁が結婚退職制は違憲と判決(住友セメント女子社員勝訴)
- 「週刊少年マガジン」「週刊少年サンデー」が100万部突破
- 交通事故死が年間1万3904人の最悪記録
- 外米の自由販売開始
- 尺貫法廃止、メートル法完全実施(尺貫法を使うと5万円以下の罰金)
- 上越線新清水トンネルが開通し複線化。 旧清水トンネルは上り線専用に
- 自動車の排気ガス規制始まる
- この年「ひのえうま」で今世紀最少の出生数(136万人)
- 「新三種の神器」(3C)にカラーテレビ、カー、クーラー
- ビートルズの来日をきっかけにグループサウンズ・ブーム(ブルーコメッツ、ザ・スパイダース、ワイルド・ワンズ結成)
- 第1次フォークソング・ブーム、反戦フォークソング流行
- 原宿族が出現(ワシントンハイツや五輪選手村に近い原宿で外国文化の洗礼を受けた若者たち)
- 松代群発地震続く(前年8月からこの年の年末までに5万回以上の有感地震)
- 新製品=ハイユニ(三菱鉛筆)、ママレモン、ラーマ(純植物性マーガリン)、サッポロ一番、明星チャルメラ、ポッキー、ハイクラウン、メロディーチョコレート、マーガレットチョコレート、柿ピー(柿の種とピーナッツ)
流行語
交通戦争、物価戦争、黒い霧、核の傘、マッチ・ポンプ、クロヨン(9・6・4、脱税係数のこと)、全共闘、過疎、三食昼寝付き、教育パパ、大河マンガ、グループサウンズ、ゴマすり、「世の中まちがってるよ」、「いろいろあらァな」、「いいじゃなーい」、「遺憾に存じます」、「こまっちゃうな」、「ボクァーしあわせだなぁ」、「しびれるー」、「シュワッチ」、「一つぐらい、いいじゃないか」、「バーハハーイ」、「びっくりしたなー、もう」、「~ダヨーン」、「見通し暗いよ」、「ドッタのー」
物価
封書10円→15円、葉書5円→7円。国鉄最低料金20円(4月1日)。ビール120円
ファッション
- 朝日新聞主催の「ロイヤル・クチュール・ショー」を大阪で開催
- ピエール・カルダン来日
- カラー:ウォーターカラー、ビビッドカラー
- ネオンカラー出現(夏)
- ミニスカート普及、膝上15cmも出現
- リトルガールルック流行
- ポップルック登場
- オプアート・ファッション出現
- タートル・ルック登場
- 刺繍ブラウス人気高まる
- サマーセーター好調、ファインゲージ増える
- カルダン紳士服登場
- ミリタリールック登場
- モッズファッション流行
- パーマネントプレス(PP)・シャツを各社発売
- ボンディング衣料が静かなブーム
- ファンデーションが爆発的売れ行き
- は虫類ベルトの人気退潮、子牛製品に人気
- 人工皮革の靴が登場
- 訪問着に替わって中振り袖流行、黒羽織(PTA呉服)流行
- 資生堂が「ビューティーケイク」を発売(モデルの前田美波里のポスターが頻繁に盗まれて話題になる)
- 帝人が立体裁断用ボディ「フェアレディー」発売
- パリのオートクチュール組合が分裂
- ウンガロ、パリに開店
- サンローラン、パリにプレタポルテの店「リブゴーシュ」を開店
- カルダン、コスモコールルック(宇宙ルック)発表
- 芦田淳が皇太子妃美智子の専任デザイナーとなる(1976年まで)
- 東京新聞主催で第1回洋裁学校生徒作品コンクール開催
Fジャーナリズム
「装苑」パリ支局開設。「流行通信」創刊
ファッション小売業
- 全高知スーパーチェーンが高知スーパーチェーンと高知主婦の店チェーンに分裂
- 共同仕入の香川スーパーチェーン設立(四国の量販店30社が参加)
- 紳士服の小売主宰VC、トップチェーン設立(24社)
- 日本ボランタリーチェーン協会設立
- 銀座ソニープラザ開業(ファッションビル第1号)
- 小田急地下商店街開店
- 東京・中野のブロードウェイセンター開業(400店)
- [伊勢丹]日本一の売場面積で改築(52000平方m)
- [大丸]年商1000億円突破(小売企業初)
- [阪急百貨店]ランバンと提携。*数寄屋橋阪急開業
- [ジャスコ]オカダヤが量販店展開5年目で年商100億円突破
- [西友ストアー]赤羽に大型店舗を開店
- [ニチイ]大幸スーパーを吸収合併
- [松阪屋]大阪店が天満橋に移転
- [三愛]アパレル部門が専門店向けの卸を開始
- [田屋]隣接の銀座三越との共同により銀座本店ビルを新築
- [マミーナ]銀座ソニービルに開店
アパレル産業
- 海外ブランド提携活発化
- JAKDAが創立10周年記念コンテストを実施
- エレクトロニクス丸編機の導入始まる
- 足利市トリコット工業団地に足利トリコット工業組合染色整理工場を新築移転
- ラッシェル・ストッキング開発
- スカーフの対米輸出始まる
- 日ネ連、「父の日」のネクタイ販売促進開始
- 厚木ナイロン工業(アツギの前身)がストッキング増産のため、厚木むつナイロン(株)を設立
- オールスタイルが多ブランド戦略を打ち出す(このあと各社がぞくぞくと多ブランド化に転じる)
- サンフレールが輸入卸商を大阪・阿波座で創業
- 大西衣料(セルフ大西の前身)が流通業世界初のオンラインリアルタイムシステムによるコンピューター導入
- 荒牧太郎がブランドとともに原宿初の本格的ブティック「マドモアゼルノンノン」を立ち上げた
- 野村(ルシアンの前身)がファンデーション事業に進出
- レナウンが伊マリオ・トラベルソオと契約。*FF編機によるニット「ボンネル8シリーズ」を展開、CMに由美かおるを起用。*専門店・一般小売店・量販店担当の第二営業部を設置し、百貨店担当の第一営業部と区別する
設立
ジュネ、ベルトリコ
繊維・テキスタイル産業
- 梳毛6社が対ソ梳毛糸輸出成約
- 紡協が繊維工業整備促進協会設置を決定(5か月後発足)
- 大阪三品取引所の綿糸相場が大暴落(20番手当限、上場以来の新安値119.1円を記録)
- ナイロン需給好転、東洋レ・日レが操短を緩和
- 化繊協調懇がポリエステル・ナイロン設備の新増設基準設定
- 日レ・ニチボー・鐘紡・三菱化成の4社が日本エステルを設立。日レ岡崎のポリエステル設備を譲り受けて営業開始
- アクリル各社が操短強化
- 紡績業が第2次不況カルテル実施(1966年12月まで、第3次1967年1月から同3月まで)
- 化繊協調懇がポリプロビレン設備新増設基準設定
- 日本輸出絹人絹織物機械染色工業組合が名称を日本輸出絹人繊織物機械染色工業組合と改称
- 羊紡会が構造改善策を検討し提出
- 兼松、江商の両社が合併を発表
- 繊維4団体が繊維産業構造改善推進委員会を設立
- 商社の団体「日本貿易会」発足
- 紡協と綿工連の共催で紡織業危機突破構造改善期成決起大会を開催
- 帝人・日レ・鐘紡の3社が国際競争力強化のために業務協定
- 鐘紡、東邦レとの合併発表(3か月後、合併中止)
- レーヨン紡績糸相場急落(統制解除後の新安値)
- 合繊市況上昇
- ポリエステルS、対米輸出ストップ
- ポリエステル、国内生産が1万トン突破
- 丸紅飯田(丸紅の前身)が東通を合併
- 三井物産が日本トレーディングを吸収合併。*米国三井物産設立
- 福井精練(セーレンの前身)がベンベルグ高級デシンにコモトーンフィニッシュを開発、量産を始める。*特許「ベンベルグ短繊維織物樹脂加工法」(W&W加工)登録
- 日本クロス(ダイニックの前身)が織物接着芯地ステーフレックスを発売
- 倉紡が備後パーマネントプレスセンター設立(1980年大東工業へ移管)
- 倉レ岡山工場が「クラリーノ」量産工場完成(月産15万m2)
- 東亜紡が楠・大垣両工場にコーマー機30台増設。*泊工場にスーパーシャーリング機増設
- 東洋プロダクツが大津工場でオペロン生産開始
- 東洋紡が呉羽紡と合併し、社名は東洋紡績を存続
- 東洋レが「プロミラン」のデビューセールを主要百貨店で同時実施。*パーマネントプレス加工の発表会、製品展示会を大阪で開催。*60歳定年制を制定
- 日清紡が藤枝織布工場(960台)完成。*真船清蔵常務が東邦レ社長に就任
- イギリスでPAN系炭素繊維の少量生産開始(コートールズ社、ハイフィル社など)
繊維・ファッション行政
- 日米綿製品暫定協定調印
- 政府がインドネシア新政権に対する緊急援助として、米1万トン、綿糸5000梱の無償供与を決定
- 不況カルテル延長、新たに市販糸規制を加える
- 公取委が綿スフ紡績業の不況カルテルの期間延長を認可(12月末までの9か月間)
- 通産省が繊維局を繊維雑貨局、軽工業局を化学工業局に改称
- 化合繊フィラメント、ステープル、短繊維織物の貿易自由化
- 繊維工業設備審議会と産構審繊維部会が「繊維工業の構造改善対策について」を三木通産相に答申(設備近代化、過剰設備の一括処理と転廃業の円滑化、取引構造の改善、労務対策、繊維工業構造改善事業団の設立、新しい法律の制定などの提案が盛られた。新しい法律が翌年、特繊法になる)
- 公取委が綿スフ紡績業の不況カルテルの期間再延長を認可(1968年6月までの6か月間。ただし、期間中途の1968年3月に当不況カルテル撤廃)
- 「流通市街地の整備に関する法律」が成立。卸団地、卸センター設置の法的根拠になる
- 繊維工業設備臨時措置法施行規則施行
- 通産省が家庭用品品質表示法に基づいて、約20業者に繊維製品表示の適正化指示
政治・経済・社会
- パナマでアジア・アフリカ・ラテンアメリカ3大陸連帯会議開催
- 運輸省が私鉄運賃の値上げを認可,平均20.2%
- 椎名悦三郎外相が現職外相として戦後初の訪ソ
- 日ソ貿易交渉妥結、日ソ貿易支払協定('66~70年)と沿岸貿易の交換公文仮調印
- 日銀が輸入優遇金融一時停止を決定
- インド首相にインディラ・ガンジーを選出(世界で2人目の女性首相)
- 戦後初の国債 700億円発行
- 日銀が金融調節に市場価格による政保債買切りオペの採用決定
- ガーナで軍事クーデター
- 佐藤首相が参院予算委で沖縄防衛に日本も参加と答弁。6日後、法律・条約上沖縄に自衛隊は出動できないと再答弁
- インドネシアのスカルノ大統領が政治権限をスハルト陸将に委譲
- 南ベトナム各地で反政府デモ激化
- 大蔵省が40年度の通関実績を発表,輸出の好調から戦後初の輸出超過を記録
- 日産自動車・プリンス自工が合併契約調印(日産自動車として発足。自動車業界再編成始まる)
- 公労協・交通共闘統一スト(戦後最大の交通スト)
- 米原潜スヌックが横須賀に初入港
- 商法改正公布(株式譲渡制限、新株発行手続き明確化など)
- 輸銀が米州開銀と36億円の円借款供与契約,国際金融機関へ初の円供与
- 「三里塚芝山連合空港反対同盟」が結成され、成田市で初の新空港反対総決起大会
- 米軍機がハノイ・ハイフォン郊外を爆撃
- 仏がNATO軍から正式脱退
- 閣議が新東京国際空港の建設を千葉県成田市(三里塚)に決定(その後、激しい反対運動起こる)
- スハルトがインドネシア大統領代理に就任
- 政府が建国記念日審議会を設置
- 中国共産党が党中央に文化革命小組を設置。文革について「社会主義革命の新段階」など16項目を決定。紅衛兵の活動活発化
- 広島市議会、原爆ドームの永久保存を決議
- グロムイコソ連外相来日
- ライシャワー駐日アメリカ大使が辞任
- 大蔵・通産両省が外資導入の手続き簡素化実施
- 東京地検が田中彰治代議士を恐喝・詐欺容疑で逮捕
- 北京・天安門で「文化大革命勝利祝賀」の紅衛兵100万人集会を開催
- 紀元節復活反対国民集会開催
- 社会党が参議院で共和製糖への不正融資問題を追及
- インドネシアが正式に国連に復帰
- 東京・大阪取引所が戦後初めて国債を上場
- 荒船清十郎運輸相が国鉄ダイヤ改正にあたって選挙区の深谷駅に急行を停車させようとした問題で辞任
- トヨタ自動車と日野自動車が業務提携を発表
- 総評加盟54単産労組が米軍の北爆に抗議してベトナム反戦統一スト(以後この日を「国際反戦デー」と呼ぶようになった)
- 北京・天安門に紅衛兵200万人が集合(なぜか毛沢東が退席したため解散)
- アジア開発銀行設立(本店はマニラ)
- 国防会議が第3次防衛力整備計画大綱を決定
- 西独でキージンガー連立内閣成立
- 第1次佐藤内閣改造(三木武夫外相、水田三喜男蔵相)
- 建国記念日審議会が建国記念の日を2月11日と答申。政令として公布
- 米軍が北爆を強化。南ベトナムで反政府デモ激化
- 中国が初の中距離弾道ミサイル「東風3号」の試験に成功
- 衆議院解散(黒い霧解散)
- GNP1000億ドル突破、日銀券初の3兆円台
- 自動車工業、電子工業、急成長路線に乗る
- 経済白書の副題「持続的成長への道」
- (前年10月を底として、第6景気循環スタート)