1964年(昭和39年)
ビック・トピックス
- 東京オリンピック開催。東海道新幹線開業
- ベトナム戦争勃発
- プレタポルテ元年
- アイビールックの流行始まる
- ワンポイントウェアの流行始まる
生活・文化
- 改正建築基準法施行(ビルの高さ制限が解除され、容積地区制度が導入された)
- 参議院東京地方区の1票の格差について、最高裁が合憲と判決
- 東大宇宙航空研究所設立(1970年に人工衛星「おおすみ」の地球周回軌道への投入に成功する)
- 日本人の観光渡航自由化
- 東京・町田市商店街に米軍ジェット機墜落(死亡4人、重軽傷32人。乗員はパラシュートで脱出)
- 東京・上野の国立美術館で「ミロのビーナス特別公開展」開催(あとの京都市美術館とあわせて172万人が入場)
- 第1回戦没者叙勲
- 第1回生存者叙勲(大勲位に吉田茂)
- パレスチナ開放機構(PLO)設立
- 東京地裁、三無事件に破壊活動防止法を初めて適用し、有罪判決
- 新潟地震(M7.5)発生(製油所の原油タンク90基が15日間燃え続け、鉄筋4階建ての県営アパートが横倒し。山形・秋田を含めて被災者8万6000人、死者26人、負傷者447人、家屋の全壊全焼2250戸)
- 日米間1万kmを結ぶ太平洋横断海底電話網開通
- ビール・酒類が20年ぶりに自由価格になる
- 都内の車 100万台を突破しマイカー時代到来
- 米国で新公民権法が成立(黒人たちが闘ってきた要求の集大成)
- 母子福祉法公布・施行
- 北陸、山陰に集中豪雨、死者114人
- 山陽本線の全線電化完成
- 東京首都高速道路1号線(本町−羽田)、2号線(銀座−汐留)、4号線(江戸橋−初台)が開通
- 全国戦没者追悼式を東京・靖国神社境内で開催
- 東京オリンピック中継用の通信衛星シンコム3号(米)打上げ
- 東京の水不足深刻
- 国連が1962年の世界人口約31億3,500万人と発表
- 神奈川県で同じ日に米軍ジェット機2機が墜落(厚木市では乗員2人死亡。大和市では鉄工所に衝突して死亡5人、重軽傷5人、乗員は脱出して無事)
- 東京モノレール(浜松町−羽田空港間)開通
- 『宴のあと』プライバシー裁判で東京地裁が三島由紀夫に有罪判決
- 東海道新幹線(東京−新大阪)が開業。夢の超特急「ひかり」「こだま」がデビュー(当時の世界最速。従来の6時間50分が4時間に短縮)
- 第18回東京オリンピック開催(94か国・選手5541人が参加。日本は女子バレーボールの「東洋の魔女」チームが優勝するなど金メダル16個獲得)
- 大津市今堅田町と守山市を結ぶ琵琶湖大橋が開通。長さ1350m
- ノーベル平和賞にキング牧師(米国の黒人運動指導者、35歳)
- 京都市のサリドマイド児の両親が製薬会社と国に対して損害賠償請求訴訟
- オリンピック記念100円硬貨、1000円硬貨発行
- 中卒者の求人難で「金の卵」にたとえられる
- 切手ブーム、ゴルフブーム
- アメリカ生まれの着せ替え人形「バービー」「タミー」ブーム
- 「新御三家」時代始まる(橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦)
- 洋画「007」シリーズ始まる
- 非行少年増加、教育ママ出現
- 日本麦酒がサッポロビールに、丸見屋がミツワ石鹸に社名改定
- 新発売=電卓(53万5000円、早川電機/現・シャープ)、家庭用テープレコーダー(ソニー)、クリネックティシュー、ホームダスキン、ハイクラウンチョコレート、ガーナチョコレート、鉄人28号キャラメル、ジューC、かっぱえびせん、ネクター、ワンカップ大関
流行語
黒字倒産、不定愁訴、カラ出張、カギっ子、東京沙漠、みゆき族、トップレス、コンパニオン、やせたソクラテス、前癌症状、過密、「ビヨーン」、「シェー」、「インド人もびっくり」、「いい線いってるね」、「いいと思うよ」、「おれについてこい」、「ファイトで行こう」、根性、ウルトラC、「おめぇ、へそねぇじゃねぇか」
物価
ビール115円、もりそば50円、大卒初任給2万1526円
ファッション
- オリンピックと結び付けたキャンペーン合戦(東洋レ/モードTOKYO、帝人/フレッシュTOKYO)
- 東洋レか゜アーノルド・パーマーと契約、ワンポイント・ゴルフウェアの宣伝開始(帝人/ゲーリー・プレーヤー、旭化成/ジャック・ニクラウスが続く)
- 百貨店、東洋レ・帝人のカラーキャンペーン続く
- 鐘紡がディオール、帝人がジバンシーと契約
- 東洋レが伊のファッションデザイナー、アンジェロ・リトリコを招き、メンズウェアセミナーを開催
- カラー:オリンピックカラー、スポーツカラー、ナチュラルハーモニー
- カラーコーディネートに関心高まる
- オリエンタル調の柄や日本の紋章柄が人気
- 30年代ルック流行
- ミラノリブのニットスーツ人気
- シフトドレス流行、ノースリーブ流行続く
- ポケッタブルドレス登場
- アイビールック大流行、VAN、JUN人気
- 銀座にみゆき族出現(くずしたアイビー)
- タブカラーのヤングマンシャツ全盛
- ブレザーにタートルネックセーターのスタイル流行
- ヨットパーカ流行
- ラッシェル・パワーネットのファンデーション好調
- 樹脂加工のノンラン・シームレス増加
- 紳士用ハイソックス需要増大
- ルディ・ガーンリックがトップレス水着を発表
- マリー・クァント、ミニスカート発売
- クレージュ、ローブ・ド・パンタロン発表
- 米のIACDがアメリカン・コンテンポラリーを発表
- 中村乃武夫、森英恵らがパリに対抗して「東京コレクショングループ」(東京高級洋裁組合)結成
- 高田賢三、松田光弘が半年の予定で船で渡仏(松田は予定どおり帰国したが、高田はパリに残った)
Fジャーナリズム
「チャネラー」創刊、「ヤノレポート」創刊、週刊誌「平凡パンチ」創刊
ファッション小売業
- 高島屋、伊勢丹、西武百貨店が婦人既製服サイズを5・7・9号に統一。この方式が全国に広がる
- 新宿駅にステーションビル(のちにマイシティ→ルミネ)開業
- 横浜駅にダイヤモンド地下街開業
- 西武の創始者、堤康次郎急逝
- スーパー倒産続出(ホームデパート、神戸ラッキワイヤー、東莫ストアなど)
- 国際注文服業者連盟(FIMT)の国際大会を全日本洋服組合連合会(小林新三郎理事長)が日本に誘致、開催
- [伊勢丹]婦人服専門店「マミーナ」設立
- [京王百貨店]新宿駅西口に開店
- [西武百貨店]日本百貨店共同仕入機構発足。地方百貨店との業務提携開始
- [大丸]ジバンシーと独占契約を結ぶ
- [高島屋]米子高島屋オープン。*大阪店の支店として堺店オープン
- [東武百貨店]池袋本店別館(旧東横池袋店)オープン
- [松坂屋]ヘンリー・プール社(イギリス紳士服テーラー)と提携
- [山交百貨店]甲府松菱が国際興業グループの傘下に入り、山交百貨店と改称
- [丸井]会員制固定客システムを開始
- [Kマートチェーン]加盟72店で発足
- [エンドーチェーン]仙台駅前に大型店舗を開店
- [西友ストアー]西武沿線に続々出店
- [ダイエー]一徳スーパー(4店)を買収、東京に進出
- [長崎屋]京都・新京極三条に出店(関東地盤の量販店として初めて関西に進出)
- [青山商事]青山五郎が紳士服を中心に食品、県の特産品など販売を行う青山商事(株)を広島県府中市に設立
- [桂由美ブライダルサロン]赤坂にオープン
- [サンモトヤマ]欧州商品100%の本店を銀座並木通りに開店(グッチ、エルメス、ロエベ、ピアジェなどを揃える)
- [三峰]チェーン化開始
アパレル産業
- 百貨店取引改善のため、東京24団体で百貨店取引懇談会設立
- MFU、TPOを提唱
- 婦人既製服各社が一斉にプレタポルテを開始(プレタポルテ元年といわれる)
- 欧州から製品輸入始まる(セーター、ブラウス、ドレス、スーツなど)
- 大阪でワイシャツ、ブラウスの縫製技術競技会
- 大阪の飯田靴下、蝶屋靴下蹉跌、靴下業界に波紋
- 「マフラーの日」、毎年立冬と制定
- 厚木ナイロン工業・商事両社(アツギの前身)がファンデーション、ランジェリーの製造・販売を開始
- ヴァン・ヂャケットが東京オリンピック日本チームの公式ブレザーを提供
- エドウインが全25色のカラージーンズを発売
- パリナ(キャンの前身)設立
- ゴールドウイン製が東京五輪の競技ユニフォームに採用され、金メダリストの8割が着用
- コロネット商会が伊ピー・チェリー社とニット製品「アボン」の輸入代理店契約
- ジュンが銀座みゆき通りに直営ブティック1号店オープン
- デサントが伊藤忠・東洋紡・米マンシングウェア社と提携し、日本層発売元として「マンシングウェア」の販売を開始(ワンポイント・ブームのきっかけになる)
- 東京スタイルが立体裁断の採用、業界に先駆けて多サイズ化をはかる。*仏ジャンヌ・ランバン社と初の海外提携結ぶ
- インターナショナル・ファウンデーション・&ガーメント(トリンプ)設立。滋賀工場で生産開始
- 三幸衣料(トレンザの前身)が枚方既製服団地で第一工場稼動開始
- 内外編物(ナイガイの前身)が子供アウター分野に進出
- 福助足袋が社名を福助(株)に改称
- 山喜商店が商号をスワン山喜(山喜の前身)に変更
- レナウン商事がバークシャー・ストッキング発売開始。*「レナウンピッコロ」ブランドを立ち上げて、ベビー用品への本格的進出を開始
繊維・テキスタイル産業
- 国際羊毛事務局(IWS)がウールマーク表示を開始
- 紡協が綿以外の他繊維も含む短繊維紡績の団体として発足することを決定
- 綿業7団体が対米綿製品輸出協議会を結成
- アクリル繊維6社が共同宣伝実施
- パリにおけるOECD繊維特別委員会に日本代表初出席
- ナイロン在庫量が生産量を上回り、夏以降市況崩落
- 織糸、メリヤス糸の標準価格廃止
- 福井県内レース業不況、6割の業者自然休業
- 繊維新法による設備廃棄始まる
- 化学繊維工業協調懇談会発足(官民協調方式による合繊設備規制始まる)
- 合繊生産設備合計が日産1000トンを超える
- 日本織物中央卸商業組合連合会設立
- 日産自動車繊維機械部(前プリンス自動車)がウォータージェットルーム発表
- 半袖シャツ系列、東レ220社、帝人120社
- ナイロン、ポリエステル減産進む
- ナイロン製品がストレッチ加工によるニットに集中。ナイロン不況で、在庫量が生産量を上回る
- ポリエステル各社がメリヤス用綿混率を最低50%に決定
- 竹村帝商が社名を帝人商事に変更
- 住江織物が0系新幹線の座席にモケットを納入
- 福井精練がベンベルグ・ジョーゼットクレープの防燃加工技術完成、輸出開始
- 旭化成がナイロン生産開始
- 近江絹糸(オーミケンシの前身)が二次製品部門の販路を拡大し、ミカレディの商標で新たに高級ニットウエア部門に進出
- 倉レがポリエステル生産開始。*倉敷工場で人工皮革「クラリーノ」生産開始(月産5万m)
- 呉羽紡がナイロン生産開始
- 東洋紡が敦賀ナイロン工場生産開始。*ポリエステル生産開始。*レナウン・エスパ設立
- 東洋レが初のポリエステル異形断面糸「シルック」発売。*トレロンステープルの生産開始(日産3トン)。*米カイザー・ロス社と提携、「カタリナ」水着の発表会・ショーを開催。*量販店向け企画問屋のヤック(株)設立('68年3月蝶理に経営移管)
- 大日本紡績がニチボーに社名変更
- 日レがポリノジックS生産開始。*ポリエステル生産開始。*ナイロン日産74.2トンに
- 日東紡がポリプロピレン繊維生産開始
繊維・ファッション行政
- 産業構造審議会令公布(産業構造調査会廃止)
- 米国が新綿花法施行(輸出内需二重価格解消)
- 通産省が消費経済課設置
- 繊維工業設備等臨時措置法(繊維新法)施行(「等」が入ったのは、設備規制のほか前向き施策の「設備の近代化」が加わったため)
- 通産省が綿紡・合繊など10不況業種に金融面の配慮等強化具体策を決定
- 通産省が化学工業協調懇談会の設置決定、発足
- 通産省が絹人絹織物製造業・毛織物製造業・メリヤス製造業の3業種について、64~68年度の近代化計画決定
政治・経済・社会
- 日銀が市中銀行に窓口規制を通告
- 日本共同証券設立
- 中仏が外交関係の樹立を発表
- 第3回日米貿易経済合同会議を東京で開催
- 南ベトナムで第2次クーデター。グエン・カーン内閣成立
- 社会党など5団体が日中国交回復国民運動を提唱
- ILOが87号条約未批准の日本へ調査団の派遣を決定
- 吉田元首相が台湾を訪問し、蒋介石総統と会談
- 政府、初の中小企業白書を発表
- 日銀が公定歩合を2厘引き上げ
- 第1回国際貿易開発会議(UNCTAD)開催(121か国参加)
- ライシャワー米大使が少年に刺され軽傷
- 揮発油,灯油,カラーTVなど8品目の自由化決定(自由化率93%弱)
- 産業構造審議会令公布(産業構造調査会廃止)
- 輸出所得控除制度廃止
- 日本がIMF8条国に移行(国際収支を理由とする為替制限禁止)
- 中国経済友好代表団来日。東京・晴海で中国経済貿易博覧会開催
- 春闘統一行動。民間労組を主体に24時間スト
- 日本がOECD(経済協力開発機構)に正式加盟(先進国の仲間入り)
- ソ連議員団が初の訪日
- 衆議院が部分的核実験停止条約を承認。参議院も承認し成立
- インドのネール首相没。シャストリ内閣成立
- 三菱系3重工業会社(三菱日本重工業、新三菱重工業、三菱造船)が合併し、三菱重工業が発足
- 憲法調査会が最終報告書を提出
- 電気事業法公布(電気臨時措置法廃止)
- 米国防総省、米駆逐艦が北ベトナム魚雷艇に攻撃されたと発表(トンキン湾事件。ベトナム戦争始まる)
- 米軍機が北ベトナムの海軍基地を報復爆撃
- 社会党・共産党・総評など137団体がベトナム戦争反対集会を開く
- 閣議が南ベトナムへの緊急援助を決定
- 通産省が輸入担保率を一部引き下げ
- 政府が米原子力潜水艦寄港受諾を通告
- 日本国会議員団がソ連訪問
- 英総選挙で労働党勝利。ウィルソン内閣成立。
- ソ連がフルシチョフ党第1書記兼首相の解任を発表(第1書記にブレジネフ、首相にコスイギン)
- 中国が初の原爆実験
- 入院中の池田首相が辞意を表明
- オリンピック後の不況始まる(高度成長の谷間。1965年10月まで)
- 米大統領選で民主党のジョンソンが歴史的な大差の勝利
- 日本共同証券が投信証券14社株式肩代り
- 池田内閣総辞職、佐藤栄作内閣成立(全閣僚留任)
- 米原潜シードラゴンが佐世保に入港(初の原潜寄港。2日後に出港)
- 全日本労働総同盟(同盟)結成
- GATTが関税一括引き下げ(ケネディ・ラウンド)開始
- 公明党結成大会(委員長に原島宏治、書記長に北条浩を選出。スローガンは「王仏冥合」「仏法民主主義」など)
- 日本特殊鋼、事実上の倒産
- サンウェーブ工業、事実上の倒産
- 中国で第3期全国人民代表大会第1回会議を開催(劉少奇を国家主席に選出)
- 1964年中の企業倒産は 4112社で過去最高を記録
- 政府が本土空襲を指揮した米将軍に勲一等旭日大綬賞を贈る(理由は「自衛隊の育成に努力」)
- この年、ソマリア紛争発生(エチオピア南東部のオガデン州の領有をめぐってソマリアとエチオピア間の紛争が始まった)
- 第一次エネルギー中、石油が50%を超える(55.7%)
- 高度成長のひずみが顕在化して、不況に突入
- 経済白書の副題「開放体制下の日本経済」
- (10月が第5景気循環のピークで、その後下り坂)