FB学会 学生対象のFB企画コンテストの最終審査会 大阪文化服装学院がグランプリ
ファッションビジネス(FB)学会、FBアワードY実行委員会は、学生の育成支援を目的としたファッションビジネス企画コンテスト「FBアワードY2024」の最終審査会と表彰式をオンラインで開催した。3回目の今回は、5月に90チーム、333人から申し込みがあり、企画応募数は86チーム、325人と、応募件数は前年並みながら応募者が前年より17人増えた。1次審査で選ばれた10組が最終審査に臨んだ。
これまで学生を対象としたコンテストはデザイン系に集中し、ビジネス系は少なかった。FBアワードYは学生の育成支援と、FB分野に新しい種をまいて業界を活性化することなどを目的に、一昨年から開始。「あなたが提案したいファッションビジネス」をテーマに、ファッション系の企画を募集した。
当日はオンラインで、10チームの学生によるプレゼンテーションと、質疑応答による審査を実施。審査は、テーマの分析力と独創性、実現可能性、持続可能性、プレゼンテーション表現力の5項目を基準に判定した。
グランプリに選ばれたのは、大阪文化服装学院ファッションビジネス学科バイヤーコース2年生チーム「ワンラブ」の3人。体が不自由な人のためのファッションコンサルティングサービスを提案し、テーマ分析、着想と独創性が「ずば抜けていた」点が評価された。全ての人と楽しむというファッションの力を再認識できる発表内容で、調査力も高く、「アパレルや小売り各社とネットワークを構築すれば、大きな動きに発展すると感じた」との講評もあった。
2位は文化服装学院ファッション流通高度専門士科2年の「地球防衛隊」が受賞した。廃棄衣料を粉砕してTPU(熱可塑(かそ)性ポリウレタン)素材の中に充填(じゅうてん)し、服や服飾雑貨にリメイクする商品を企画。生成AI(人工知能)を使ってデザインし、実際にサンプルも作って発表して好評だった。3位の香蘭ファッションデザイン専門学校FB学科2年「パピヨン」は、「ローカルビジネスで成功に導く」をテーマに、視覚と嗅覚に訴える実店舗を提案した。
総評では「若い世代の社会的意識の高まりを感じた」「情報が簡単に入手できる時代。直接、話を聞くなど行動したチームが少ないなか、試作品を作って提示した発表は説得力があった」などの声が聞かれ、参加者が多くの学びや示唆を得られるイベントとなったとする。