FB学会 ファッションビジネス学会 The Society for Fashion Business

日本の工藝を、世界へ
外需と海外販路のグランドデザイン

日本の工藝には、長い歴史の中で培われてきた高度な技術と美意識、素材への深い理解、そして地域ごとに育まれてきた文化があります。

しかし、現在、国内経済の縮小に伴い、工藝品の国内需要は減少し、受け継がれてきた技術や文化そのものの持続可能性が深刻な危機に瀕しています。この文化を次の世代へ確実につないでいくためには、作品が適正に評価・販売され、その対価が作家・職人に還元されて生計が立つ「健全な経済循環」を作ることが不可欠です。

海外のアートシーンにおいては、作品のユニークさや背景にある物語が評価され、適切な文脈と市場に接続することで、その価値に見合った対価へとつながる可能性があります。工藝品を、海外アート市場において適切な文脈とともに提示し、その価値に見合った対価へとつなげていくことこそが、これからの工藝の持続可能性をひらく鍵となります。

一方で、「日本の工藝を世界へ」と言っても、世界のアート市場における日本の工藝の存在感はまだ決して大きくありません。単発の海外展示ではなく、市場の中で確実に作品が買われ、定着していくための継続的な「商い(ビジネス)」の仕組みへとつなげていくことが極めて重要です。

雅耀会 Gayoh Society「Gayoh Explore」第8回では、財務省大臣官房企画官の二宮悦郎氏をお迎えします。

二宮氏は、ベルギー・ブリュッセルの欧州連合(EU)日本政府代表部参事官としてEUの経済政策に向き合う中で、日本政府や日本社会において、工藝をはじめとする日本文化を「ビジネス」として成立させる体制やマインドがいかに欠如しているかという構造的な国家的課題に気付き、世界で日本文化で稼ぐことが日本の次なる成長戦略になるよう、伝統工芸品の欧州展開を政策と実務の両面から推進してきました。

雅耀会は、「工藝・文化・商い」を軸に、洋の東西のリュクスを横断しながら、新しい日本のラグジュアリーのあり方を探求する場です。今回は、そのなかでも「商い」に焦点を当てます。

テーマは、「外需と海外販路のグランドデザイン」。

海外のラグジュアリー市場のリアルな構造と、日本の工藝が外需を獲得していくための戦略について伺います。

海外市場において工藝の価値はどのように評価され、購買へとつながっていくのか。また、個々の作家や事業者だけでなく、地域や省庁などを横断した人的ネットワークをどのように形成し、持続可能な販路を拓いていくことができるのか。そして、一度の販売や評価を単発で終わらせず、継続的な取引や価格形成、コレクターとの関係構築へとつなげていくためには、どのような設計が必要なのか。

さらに、実際に海外で販売していくためには、作品の価値をどのように伝えるかだけでなく、国境を越えて「商う」ためのさまざまな条件を考える必要があります。

日本で生み出された工藝を、実際に海外の顧客へと届け、継続的な市場をつくっていく。そのためにどのような仕組みが必要なのか。二宮氏の欧州での経験を手がかりに考えていきます。

ゲストプロフィール
二宮 悦郎
財務省大臣官房企画官

財務省にて予算・国際金融などの分野に従事。2022年より外務省に出向し、ベルギー・ブリュッセルの欧州連合(EU)日本政府代表部参事官を務める。EUの経済政策に向き合う中で、日本文化をビジネス・成長戦略にしていく国家的課題に直面し、日本の伝統工芸品の欧州展開にも取り組む。2025年に財務省へ復帰。現在も、日本の工藝・文化の海外展開や国際販路の開拓に関わっている。

________________________________

※定員になり次第、申し込みを締め切ります。早めの申し込みをお願いします。
※講座の録画・録音はご遠慮ください。
※当日は記録・広報等のため講座の模様を映像、写真で記録します。その記録をウェブにて公開することもあります。
※アーカイブ視聴(見逃し配信)は検討中です。実行できない場合がございます。あらかじめご了承ください。

開催概要

日 時 2026年9月12日(土) 19:00~21:00(オンラインは20:30頃まで)
参加費 5,500円 会場、オンライン共に。
応援枠を設けさせていただいております。応援をいただけましたら嬉しいです。
場 所

会場:国際文化会館 講堂(東京都港区六本木5-11-16
https://ihj.global/access/
国際文化会館本館は、日本建築界の巨匠、前川國男、坂倉準三、吉村順三の三氏の共同設計の建物で「登録有形文化財」に登録されています。また、庭園は、岩崎小彌太氏が日本屈指の名造園家7代目小川治兵衛に作庭を依頼したもので、桃山時代あるいは江戸初期の名残りを留めている近代庭園の傑作と言われています。今回の会場である講堂は、前川國男氏が設計した別館2階にある個性的なアーチ型天井で、両側に大きな窓を備えた開放感ある会場になります。

オンライン
Zoomを使用いたします。
お申込み お申し込みは運営事務局のFashionStudies®のPeatixにて承っております。
会場 https://gayohexplore-08.peatix.com/
オンライン https://gayohexplore-08-online.peatix.com/
※申し込まれますと払い戻しはできませんので、ご了承くださいませ。
問合せ先 Peatixがご利用できない場合は、「Gayoh Explore #008」と明記していただき、下記メールアドレスまでお問い合わせくださいませ。
contact@fashionstudies.org
主 催 雅耀会 Gayoh Society
共 催 ファッションビジネス学会ラグジュアリービジネス研究部会
運 営 FashionStudies®
協 賛 TERUHITO KIKUCHI

雅耀会|Gayoh Society
「工藝・文化・商い」を軸に、洋の東西のリュクスを横断しながら、新しい日本のラグジュアリーのあり方を探求する場。
本シリーズ「Gayoh Explore」は、思想と実践を往復しながら、次代の価値を構想するための講座です。

こちらに主旨と過去の「Gayoh Explore」の講座のレポートが掲載してあります。
https://fashionstudies.org/feature/gayoh-society/

共同主宰 篠崎友亮 FashionStudies® 主宰
共同主宰 菊地耀仁 TERUHITO KIKUCHI 代表
アドバイザー 中野香織 著作家/服飾史家

運営事務局 FashionStudies®
スポンサード TERUHITO KIKUCHI

ページ先頭へ