トークイベント 大山エンリコイサム × 飯田高誉 「書物と洞窟をめぐって」
「Think of Fashion® Study 004 アート講座③ アニッシュ・カプーア 人間存在そのものに潜んでいる情動」の講師を務めたスクール デレック芸術社会学研究所所長で、インディペンデントキュレーターの飯田高誉さんが、美術家の大山エンリコイサムさんと「書物と洞窟をめぐって」と題したトークイベントを恵比寿のNADiff a/p/a/r/tにて行います。そのトークイベントのオンラインでの受付をFashionStudies®(ファッションスタディーズ)で募集します。このトークはNADiff A/P/A/R/Tの建物内にて開催している大山エンリコイサムさんの二つの展覧会の関連企画となります。
ファッションを学ぶ為にもアートの知識は欠かせません。
みなさまのご参加お待ちしております。
ファッションビジネス学会 +10Y研究部会 共催になります。
出演者プロフィール
大山エンリコイサム| Enrico Isamu Oyama
美術家
ストリートアートの⼀領域であるエアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」を起点にメディアを横断する表現を展開。イタリア人の父と日本人の母のもと、1983年に東京で生まれ、同地に育つ。2007年に慶應義塾大学卒業、2009年に東京藝術大学大学院修了。2011-12年にアジアン・カルチュラル・カウンシルの招聘でニューヨークに滞在以降、ブルックリンにスタジオを構えて制作。2020年には東京にもスタジオを開設し、現在は⼆都市で制作を行なう。
http://www.enricoisamuoyama.net
飯田高誉
スクール デレック芸術社会学研究所 所長/インディペンデント キュレーター
1956年東京生まれ。フジテレビギャラリー(1980年〜90年)にて草間彌生を一貫して担当し作家活動歴のアーカイブ化を担う。東京大学大総合研究博物館小石川分館にて現代美術シリーズ(マーク・ダイオン、杉本博司、森万里子展)を連続企画。カルティエ現代美術財団(パリ)にてゲスト・キュレーション(杉本博司展、横尾忠則展)。「戦争と芸術—美の恐怖と幻影Ⅰ〜Ⅳ」展(京都造形芸術大学)シリーズ企画。コムデギャルソンの川久保玲の依頼によりアートスペース“Six”にて連続企画(草間彌生/橫尾忠則/デヴィッド・リンチ/森山大道/宮島達男/中平卓馬など)。第二回「堂島リバービエンナーレ:エコソフィア」展のアーティスティック・ディレクターを務める。京都造形芸術大学国際藝術研究センター所長、慶應義塾大学グローバルセキュリティ講座の講師などを務め、青森県立美術館美術統括監、森美術館理事、渋谷区立松濤美術館副館長を経て、現在、スクールデレック芸術社会学研究所所長。
主な著作に「戦争と芸術-美の恐怖と幻影」(立東舎、2016)、「文明と野蛮のアーカイヴ」(新曜社、2020)、共著に「アートと社会」(竹中平蔵・南條史生編著/東京書籍、2016)、「エッジ・オブ・リバーズ・エッジ──〈岡崎京子〉を捜す」(新曜社編集部 編、2018)、「パブリック・ヒストリー入門ー開かれた歴史学への挑戦」(菅豊・北條勝貴編/勉誠出版、2019)など。
開催概要
日 時 | 2024年2月7日(水)19時30分~21時 |
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会 費 | オンライン視聴券 ファッションビジネス学会会員 800円 (一般 1,000円) ※対面で直接、出演者とお話できないため、若干、会場より割り引いております。 (会場 1,100円) |
会 場 | オンライン ZOOMウェビナーを使用します。 |
お申込み | https://talk-oyama-iida-0207-online.peatix.com/ ※申し込まれますと払い戻しはできませんので、ご了承くださいませ。 |
問合せ先 | Peatixがご利用できない場合は、「オンライン用 トークイベント 大山エンリコイサム × 飯田高誉の件の件」と明記していただき、下記のメールにてお問い合わせくださいませ。 contact@fashionstudies.org |
主 催 | NADiff a/p/a/r/t |
2つの展覧会の概要
大山エンリコイサム|Book Covers, Bookends
2024.01.25[木]—2024.02.25[日]
【概要】
大山エンリコイサムは、ストリートアートの⼀領域であるエアロゾル・ライティング(※)のヴィジュアルを再解釈した表現により、注目を集めるアーティストです。1970年代のニューヨークで始まったライティング文化に影響され、その特有の線の動きを抽出し、再構成することで生み出された独自のモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」(QTS)を国内外で発表。作品制作と並行して、これまでに『ストリートアートの素顔』(⻘土社、2020年)など複数の著作を刊行し、現代美術とストリートアートを行き来する研究や批評にも取り組んでいます。近年では、MEET YOUR ART FAIR 2023「RE:FACTORY」のメインアーティスト/アーティスティック・ディレクターを務め、現代美術の領域を中心に活動の幅を広げています。
2022年の「Paint Blister」展に続き、NADiff a/p/a/r/t での2度目の個展となる本展では、書店/アートギャラリーとして2023年9月にリニューアルした当店の特徴に着目し、さまざまな技法を⽤いて書物にまつわる事物の翻訳を試みた作品群を発表します。現在、目まぐるしく変化する「アート」や「出版」をめぐる国内の社会構造において、大山は、過渡期ともいえるその状況を「作品」や「書物」といったメディアの存在の揺らぎと捉え、それらを取り巻く環境を見つめ、造形的思考による再解釈を加えます。これまで⼆次元の視覚表現として多様なジャンルを越境してきた「クイックターン・ストラクチャー」(QTS)を、本展では自律するブックエンドとして三次元化し、書物とのあいだに生じる相互作⽤によって周囲の空間を変容します。また、かつて画集や図鑑といった大型の書物を保護する役割を与えられたブックケースをはじめ、ブックカバーやブックページといった書物を構成する平面のオブジェクトにQTSを施すことによって、⼤⼭は、それらに美術表現としての新たな「生(life)」をもたらします。QTSの多面的な可能性がさらなる次元へと展開する、大山エンリコイサムの最新の作品世界にぜひご期待ください。
※NYのストリート文化から発展した、自分の名前をアートとして描画する表現文化
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日火曜休み)営業時間:12-20時 ※2⽉7⽇(⽔)、2⽉17⽇(⼟)はイベントのため19時閉店
協力|Takuro Someya Contemporary Art、agnès b. galerie boutique
会場|NADiff a/p/a/r/t
150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F TEL. 03-3446-4977
http://www.nadiff.com/?p=31599
大山エンリコイサム|Torus
会期|2024年1月25日(⽊)〜3月10日(日)
【Artist statement】
本展は、ふたつの思考のイメージが交差する地点に構想された。
ひとつはスクールデレック芸術社会学研究所を主宰する、本展キュレーターの飯田高誉さんと私の個人的な対話である。その頃ロシアによるウクライナ侵攻が開始され、その誘因のひとつにNATOの存在が指摘されていた。冷戦が生んだ世界構造の残響、いわば冷戦
の亡霊が首をもたげたこの出来事から、飯田さんと私は、歴史の反復性のようなことを感じ取っていた。歴史は韻を踏む。
時間はスパイラルのように、回転しつつ軌道をずらして進行する。そのイメージがまずあった。
もうひとつは、本展会場であるスクールデレック芸術社会学研究所である。恵比寿の奥まったストリートの一角。路地の突き当たりのビル。その2階に位置する同所のオフィスとその横にある小ぶりな展示スペースは、通行人がランダムに立ち寄ることはなく、アポイント性の運営によって意思ある鑑賞者のみを受け入れる。広く公開する精神に代わり、あ
る種の閉鎖性がある。しかしサロン的ではない。その奥まった閉鎖性に私は、芸術や宗教 の起源がかくされた洞窟のイメージを抱いた。
時間のスパイラルと起源の洞窟。これらを統合するモティーフが「トーラス(torus)」である。
二次元の円を三次元の方向に回転すると得られる二次元多様体のトーラスは、それ自体が円筒状に膨らんだ円、いわゆるドーナツの形をしている。スパイラルは二次元の円回転の軌道がずれて、三次元の方向に伸びていく開放系の立体回転だが、トーラスは単位となる二次元の円も、それを三次元の方向に回転する円も閉じたままの閉鎖系の立体回転である。前者が現実に生きられた歴史的な時間の反復を表象するなら、後者は洞窟のように外
界から切り離された起源の反復を表象する。
トーラスの内部空間は、出口のない洞窟である。洞窟の炎が映す影は、芸術の起源である。起源が放つ光は、美術史をつらぬく螺旋運動である。
本展はこうした想像力をもとに構成されている。
※毎週金・土・日開館14:00〜18:00(予約不要)※毎週水・木 事前予約制(お問合せ:info@sgurrdearg.com)
休館日|毎週月曜日/⽕曜日
企画|飯田高誉(スクールデレック芸術社会学研究所所⻑)
協力|Takuro Someya Contemporary Art
会場|スクールデレック芸術社会学研究所
〒150-0013 東京都渋谷区恵⽐寿1丁目18-4 NADiff a/p/a/r/t 2F
https://www.sgurrdearg.com/exhibitions/enrico-isamu-oyama-torus/
オンライン配信共催
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